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ニュル24H耐久レースとモノヅクリ [自動車]

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少し前の話になるが、ニュルブルクリンク24h 耐久レースが終わった。私が応援していたGTRの結果はちょっと残念であった。 結果だけみれば喜ばしいことではない。レースという勝負の世界では敗者のレッテルを貼られるかもしれない。 しかし、You Tubeの動画を見ているとスタッフやドライバー達の晴れ晴れとした様子にホッとしている。 戦い終えた満足感がひしひしと伝わってきた。

http://clicccar.com/2012/05/24/156200

たった数百円の部品ひとつの不具合のために長時間のピット作業を余儀なくされたようだが、それを発見できたことはこのレースの 大きな収穫だったようだ。これは後に市販車へとフィードバックされ、GTRはまた進化していくことになる。

日本人にありがちなのは「メーカーが作るモノは絶対に不具合なんてあってはならない」と思い込んでいるところだ。工業製品に対して揺るぎない絶対性を求めている。これはある意味、メーカーにとっての指針にもなり、切磋琢磨する原動力にもなる。しかしながら、少し斜めから見てしまうと「ユーザーが製品を使い込むことによって、一緒になって製品を作り上げていく」という楽しみを忘れているとも思える。少なくとも自分はどんなモノに対しても「絶対的なものなんてない」と思うようにしている。何か不具合があるのが当たり前なのかもしれない。人間という不完全な生命体が作っているモノなのだから。勿論、命に関わる部分の不具合はあってはならないという前提での話だ。

クルマを作るということは本当に大変なことだ。開発~販売されるまでにどれだけ多くの人が関わり、それぞれの現場にどれだけ多くのドラマがあることだろう。 そんなことをぼんやり考えながら自分の買ったクルマを見つめていると、自然と愛おしさがこみ上げてくる。 当然のことだが、これはクルマだけではなく全てのモノに対して言えることだ。冷蔵庫だってテレビだって携帯だって、多くの人が 汗を流して作り上げてきている。モノを大切にしなくなってきている時代だが、改めてこんなに便利で人生を豊かにしてくれているモノ達に囲まれている自分の幸福をかみしめてみようと思う。

「息子よ。この鉛筆を見ろ。この鉛筆1本を作るのにどれだけの人が関わっていると思う? 材料の木を切り出す人、芯を作る人、印刷用のインクを作る人、デザインをする人、設計をする人、運ぶ人、仲買人の人、店で販売する人・・・そういう多くの人たちがいるから、君は今、この鉛筆で字が書けるのだよ。そういう人達の努力を忘れてはならない。多くの人に感謝する気持ちをもってモノを使いなさい」

小学生の頃、かれこれ35年ほども前に父から言われた言葉を思い出した。

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